市民DX

活動地域

東京都八王子市

1.目的・活動のきっかけ

「市民がデジタル技術に触れる場の創出を目指す」

 まず、『DX(デジタルトランスフォーメーション)』とは、デジタル技術を活用して生活を豊かにすることを意味します。例えば、マイナンバー制度のように、これまで紙で管理していた情報をデジタル化し、より便利に活用できるようにする取り組みが挙げられます。しかし、デジタル技術に苦手意識を持ち、うまく活用できていない人が多いのが現状です。
 そこで私たちは、幅広い世代が暮らす八王子市を拠点に、市民の皆さんがデジタル技術に触れる機会を提供する活動を行っています。活動を通じて、プログラムなどのデジタル技術に触れ、『こんなことができるんだ』『この仕組みがあったら便利だな』と感じてもらい、デジタルに関する知識の引き出しを増やしてもらうことを目指しています。

2.イベント・プロジェクトの雰囲気

「多摩祭で
DX化の第一歩「苦手意識を払拭する」企画を
実施」

  • 6月~7月 企業の方からDXについて学ぶワークショップ
  • 9月 合宿(デジタル技術を身近に感じてもらうための方策を考案)
  • 10月 多摩祭でアプリ作り企画を実施

 多摩祭(法政大学の学園祭)では、アプリ作りを体験できる企画を行いました。ここでは、コードを書かなくても簡単にアプリが作れるソフトを使用し、幅広い年代の方に参加していただきました。なかには夢中になって長時間取り組む人もおり、参加者からは『こんなに簡単にできるんだ!』と驚く声が多く聞かれました。デジタル技術への苦手意識の払拭を目指す私たちにとって、とても嬉しい反応でした。
 一方で、「DX」を軸とした活動の難しさも実感しました。「デジタル化」「DX化」といってもその範囲は非常に広いため、何をもって「DX化した」と言えるのかを考える必要があると感じています。
 私たちの現段階での答えは、以下の3ステップがそれぞれ「DX化」にあたるという考え方です。
 Step 1: デジタル技術への苦手意識をなくす  
 Step 2: デジタル技術を活用したいというアイデアを生み出す
 Step 3: 実際にデジタル技術を使ってアイデアを形にする
 つまり、DX化のスタート地点は人それぞれであり、すべてのステップを達成しなくても、Step 1の段階からすでにDX化の第一歩であると考えています。

3.これから

「日常生活でのデジタル技術の活用に寄り添う」

 多摩祭では、参加者からはデジタル技術に対して前向きな反応をいただきました。しかし、実際にデジタル技術に触れてもらえた人数はまだ少ないと感じています。これから八王子市でワークショップや企画を積極的に開催し、より多くの人にデジタル技術の面白さを知ってもらいたいと考えています。そして、それを通じて、私たちの活動やDXを八王子市に浸透させていきたいです。
 また、多摩祭ではアプリ作りを体験してもらいましたが、それが日常生活でどのように活用できるのかまでは十分に伝えきれなかったと感じています。今後は、ワークショップや企画を重ねるだけでなく、その後の実践的な活用にも寄り添い、「こんな風に使えるんだよ」と具体的に伝えていきたいです。

4.学生スタッフの注目ポイント

 市民DXは、プロジェクト初年度である2024年度に多摩祭へ出展し、簡単なアプリ作りを体験できる企画を実施しました。この活動は、市民DXが考える『何をもってDX化したと言えるのか』のStep1を実現するものだったといえます。今後の展望として、「ワークショップや企画を増やすこと」と、「ワークショップ後の活用に寄り添うこと」を挙げています。前者はStep1の輪を広げ、後者はプロジェクトのStep2・Step3への発展につながると考えています。


記事 山下友梨子
取材 山下友梨子・篠田大知・鈴木爽真